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脊柱側弯症

 側弯症については背骨に関することなので、患者さんからはいろいろと聞かれます。その中で多い質問は、「娘が側弯症と言われたのですが、治るでしょうか」というものです。娘さんだけではなく60才過ぎのご婦人が側弯症といわれましたが治るでしょうかというご質問もあります。

 まず側弯症というのはどのような状態なのかを考えてみましょう。

側弯の種類

 側弯を大別すると
機能性側弯と
構造的(構築性)側弯があります。

構造的側弯症は側弯とともに椎骨が回旋していて、肋骨の変形を伴います。
構造的側弯症は肋骨の変形が胸郭の変形となり、胸腔を狭めたり、美容的な問題を引き起こします。

 一方、機能性側弯は痛みから逃れるための側弯であったり、椎間板ヘルニア、脚の長さの左右差、あるいは股関節拘縮などの影響による二次的な側弯です。

側弯症の簡単な鑑別法

機能性側弯と構造性側弯を簡単に鑑別するテスト法があります。
それはアダムス・テストといわれるものです(図1)。
このテストは側弯が見られる患者さんを立たせてから、体幹を前屈させ、そのときに、側弯が消失し左右の胸郭の高さが等しければ機能性側弯です。
側弯が消失せず左右の胸郭の高さに差がある場合は構造性側弯です。胸椎の回旋による肋骨の変形(肋骨の隆起)をきたしています。

 下の図は胸椎が回旋させらた結果、肋骨が変形して、胸郭をいびつにしてしまいました。
肋骨の変形は元に戻すことができません。この変形が胸郭の変形を固定化してしいるのです。これがアダムズテスト陽性になります。
そして側弯症の治療を難しくしています。

肋骨の変形

思春期特発性側弯症

我々が臨床で遭遇する側弯症の多くはこの構造性側弯症なのですが、その中でも特に多いのが原因不明の思春期特発性側弯症です。
統計的に思春期特発性側弯症は圧倒的に女性に多くみられます。
また右凸胸椎側弯が多くみられます。
骨成長期に進行し成長完了とともに進行は停止します。多くは17~19歳頃に骨成長が止まります。
それは椎骨や肋骨が変形したままで元には戻らないということです。

早期に発見して少しでも側弯が軽めに収まるように、ご家族が注意を配るべき理由なのです。

小学生の上級生から中学生の頃、学校の健康診断で見つかることが多いのですが、コブ(Cobb)角が20゜以下であったりすると見過ごされることもよくあります。早期発見、早期対応が重要となります。

横座りは側弯症の原因の一つ

側弯症の評価

 X線画像による側弯角度の計測にはCobb角法が一般的です。
Cobb角は下図のように計測します。角度A位が25°です。角度Bだと40°です。患者さんがドクターから側弯の角度を告げられていたら何度ぐらいか尋ねてみてください。

コブ角

 Cobb角が0〜25゜では経過観察になります。
25゜~50゜では保存的な治療として装具装着が勧められます。
50゜以上は手術の適応といわれています。